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zoom RSS 海外悪性伝染病というものがあって

<<   作成日時 : 2010/05/26 12:30   >>

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獣医師の人は国家試験受ける時の勉強で海外悪性伝染病と言えば
“シェーキーズ、あコレコレ〜〜〜”
を覚えたと思うんですが
この語呂合わせの最初の部分が
“シエキーズ→4疫s→4つの疫=口蹄疫・牛肺疫・牛疫・アフリカ馬疫”を指していまして
海外悪性伝染病ってのは日本には昔からなかったもしくは根絶できたっぽい動物の感染症を言います。
19種類あります。
近年国内感染があった鳥インフルエンザ(高病原性)や狂犬病もこの中に入っています。

ここに指定されている感染症たちってのはとっても悪いやつが多くて
基本治療はしません(もしくはうつ手がありません)。
治療できたとしてもその病原体の保有者=キャリアとなるので
抗体のない相手にとっては困る存在になってしまいます。

なので、徹底した検疫と、万が一発症した場合は拡大させないってのが重要になってきます。
検疫は獣医の仕事なんですが、一生懸命やっているとは思うんですが!!><!!
最近のニュース見ているとちょっとシステム見直した方がいいのかも・・・と思います。
…狂犬病は動物が発症した訳ではなかったですが。


中でも口蹄疫は偶蹄目(ヒヅメが二股の動物。牛・豚・鹿など)に感染する、
ものすごくものすごく伝播力の高い感染症です。
ほっとくと日本なんてすぐに蔓延してしまいます。
症状はヒヅメ近くの上部辺りや口の中に水泡ができます。
この水泡が割れて二次的な細菌感染を起こしたりもします。
水泡は割れると痛いみたいで、患畜は徐々に弱っていきます。

大人の動物であれば突然死亡するようなことはないですが
子供の動物では致死率が高いです。

大人の動物でも
元気がなくなってお乳の量も減りますし
摂れるお肉の量も落ちます。
口の中が痛いと、動物は食欲がなくなります。たったそれだけで痩せていき、弱って死んでしまうのです。

また、肢をやられるので肢を引きずったり、ひどいと立てなくなります。
大きな動物が立てなくなった場合は悲惨です……;;
立てないと床ずれをおこし、腐ってきます。。。
牛なら雄のホルスタインで1t超えますし
豚だって数百kgの体重があります。
それをあの細い4本の肢で支えているのです。
人間が肩を貸す位でカバーできる重量ではないし、
機械などで支えるのだとしたらとんでもない設備がいります。それこそ酪農家さんじゃあ無理><;

今回、“動物側に免疫力がつくまで待てばいいのではないか”的な意見が出たのを知って
思わず書かずにいられなくなりました。
そんな抗体できる前にどれだけの日本の偶蹄目がいなくなるか。
これで増えて困っているニホンカモシカやエゾシカの数減らせって事でしょうか?
人間に感染しないなら問題ないんですかね?(補足ですが口蹄疫に罹った動物のお肉や牛乳は人間が飲食しても問題ありません)
日本がこれを主張して、口蹄疫フリーにした場合、海外の批判もすごいんじゃないです?^^;
とくに牛や羊の多い国の人とか、旅行に来れないかもよ;
口蹄疫が接触だけでなく空気伝播もするって知ってるんでしょうか・・・?

免疫つくまでって
日本中の酪農家にどんだけ負担させる気ですか。皆楽な暮らしできる収入なんてないんです。
自分の家の家畜を感染チャレンジさせるような手間とコスト、誰がかけるっていうんですか。
常に大動物の獣医師が口蹄疫による対応をしなければならなくなります。
そうなる方が休む時間も人手も足りませんよ。

今回の国の対応の遅れのひどさも含め、本当にこの感染症の怖さを全く分かっていないんだな、と思いました。
人間には罹らない、関係ないって感覚だとこう思われちゃうのかなぁ・・・;
なんでしたら口蹄疫陽性の牛1頭飼育してみたらいいんじゃないでしょうか?
どの位大変かわかるでしょう。

もし、口蹄疫フリーになった場合、
病状が酷くなってきたらお肉用に出荷される事になるでしょうから
家畜の回転がはやまりますね。
つまり、1頭から搾れるミルクも減るし肉だってサシがはいる前に出荷せねばならなくなります。
こっちの方が価値がない、利益が出なくなるってのはお分かりいただけるでしょう。
牛がお乳を出すまで、サシが入るまで5年近く(最低3年)かかります。
乳牛なら12年位活躍します。
種牛なら価値が分かるのに10年かかります。
その年月の手間と世話代をかけているのが酪農です。
それを元もとれないか、仔牛が死亡する危険性が高いという更に生産性を欠く方法をとれと??
乳牛は仔牛を育てている間しかお乳が出ないんだって事も知ってますか?
ホルスタインは365日乳が搾れる訳じゃないですよ?;


動物の殺処分をするのは獣医師です。
正直今回の流行で大動物担当の獣医師は寝る間もない状態で働いていると思うし
薬品類も足りてないかもしれません。
そして、動物が好きで獣医師になった人が多いはずで
その人達が殺処分しています。。。
付き合ってきた酪農家の人にこんな話をしたかったのではないし
名前があって呼んでいた牛とこんな別れ方をしたかったのではありません。

それでも、ここで食い止めなければ日本中、もしかすると日本を離れて感染が拡大してしまうかもしれない、
そうなったらもっと多くの場所で同じ悲劇が起こってしまう。
まさに断腸の思いでやっているのだと思うのです。
殺処分焼却埋葬以外でいい方法があれば、他の国でもうやっています。
過去の経験からして、現在できる最善の方法がこれしか残ってないんだというのが現状だと思うのです。
誰も好き好んでやっているのではないです。
注射1本うてば瞬時に治る位の特効薬ができない限り
今のやり方を変えるのは難しいと思います……とても残念でくやしいですが。


畜産動物に於いて、最も大事なのは治療ではないんです。予防が一番大事なんです。
まだまだ口蹄疫問題は収まりそうになくって助けて!;;ってカンジなんですが
今後こんな悲劇がおこらないように、今回犠牲になった命を無駄にしないために
予防・検疫システムの再考をお願いしたいです><;

せめて九州産のお肉が売っていたら買いましょう〜;;
お店、棚から下げたりしないで><;

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